【僕が死ぬだけの百物語】13話は、シリーズの中でも特に後味の悪さが残る一編です。
今回のテーマは「普通の家庭」。
誰もが憧れるような言葉ですが、この物語ではその理想が歪んだ形で描かれています。
家族を愛しているはずの父親。
しかし妻と娘は、そんな父親を心の底から恐れていました。
この記事では【僕が死ぬだけの百物語】13話「普通の家庭」のネタバレあらすじと感想・考察を紹介します。
父親が本当に求めていたものは何だったのか。
そして死後もなお家族に執着し続ける理由とは何だったのでしょうか。
【僕が死ぬだけの百物語】13話のネタバレ!

はじめにご紹介するのは【僕が死ぬだけの百物語】13話のネタバレです。
前回までのネタバレと感想は以下の記事からアクセスできます。
プロローグ
ユウマくんは13個目の話を語る前に、この前のテストの結果を披露します。
結果は100点満点で、笑顔を見せたユウマくんは13個目の怪談を語り出します。
第13話 普通の家庭
男性はトイレから出てくると、自身の家族や家を振り返り、美しく気立の良い妻や勤勉で真面目な自身の娘、そして家庭を支える自分自身を並べ、普通の家庭の様子に満足していました。
その根底には過去に親戚の家に引き取られ育ち、喉から手が出るほど欲しかった景色が、目の前にあります。
崩れゆく理想
男性は満足気に朝の挨拶を述べました。
しかし妻も娘も返事がなく、男性は大きな声で朝の返事を求めます。
娘は反抗期なのか挨拶を最後まで返さず、自分の朝食も用意されていないことに、さらに怒鳴り声をあげます。
妻は男性の言葉に今用意すると言い、男性は起きてくる音で用意しておけと文句を垂れます。
そして朝食がテーブルに並ぶと、男性は叫び声を上げました。
朝食に出されたサンマを見て、男性はこんなものを食えるかと言いますが、妻はこれは男性の大好物だと疑問を口にします。
しかし男性は今は嫌いと言い、毎日働いている一家の主人を敬えないのかと、また文句を口にしました。
家族の異常な怯え方
娘は急に立ち上がり、男性は声をかけますが、娘がトイレに行くと言うと、男性は父親の話の途中に行くのかと、激昂してを大きく振り上げます。
娘はその様子を見て固まってしまい、妻がたまらずに止めに入りました。
男性は手を挙げた状態で、何か言うことがないのかと言い、2人が恐怖で固まっていると、机を強く叩き、家庭を見出したことを謝れと謝罪を強要します。
そして机を何度も叩き謝れと連呼し、妻にいい加減にするよう怒鳴られ、男性は謝らない様子を見ておかしいと妻と娘を指摘します。
しかし妻は毅然としていて、ずっと話し合いをしたかったが殴られるのが怖くて言えなかったことや、召使いのように言う通りにならないからと叩いてはダメだと諌めました。
そしてもうこの家から出て行ってくれと嘆願し、男性は妻の意外な言葉に動揺します。
最後の話し合いを…
この家は男性の働いたお金で買ったので、出ていくのなら妻と娘が出ていくべきだと言いました。
さらに服も靴も食べたものも男性のお金だと言い、男性は召使ではなく、お金で手に入れたおもちゃだと言い切りました。
娘はここまで男性の話を黙って聞くと、笑いが堪えきれず、妻に間違いじゃなかったと言います。
妻はもう一度くらい話し合えるのではないかと、後悔していたことを言うと、男性はなんのことかわからず困惑し、次の瞬間には口から大量の血を吐き出しました。
男性はすでに…
妻は男性の食事に毒を盛ったと言い、男性は朝食を食べていないと返しますが、妻は毒を盛ったのは昨日の夕飯だと伝え、男性は昨日の夜には死んでいるはずだと言います。
しかし男性は何度も何度も現れてきたようで、娘にはこの家に執着していないで消えろとまで言われてしまいました。
男性は苦しみながらトイレへ駆け込もうとしますが、なぜか扉を開けられません。
妻はトイレの扉を開けられないことを知っていて、しっかりと見て確認してと言い、代わりにトイレのドアを開けました。
トイレの扉の向こうには男性が亡くなった状態で、便座の上に座っていて、男性は自分が亡くなった姿を見て尻餅をついて叫び声をあげます。
妻と娘は男性を見下ろし、いい加減に消えるよう突き放され、13個目の怖い話が終わりました。
エピローグ
13個目の話を語り終えたユウマくんの部屋に、ノックの音が響きます。
ユウマくんはおかえりと声をかけると、テストの結果を聞かれ、100点だったことを伝えると、男性のような手が出てきてユウマくんの頭を撫でました。
そしてこちらに向き直ったユウマくんのおやすみなさいという言葉で13話目が終わります。
【僕が死ぬだけの百物語】13話の感想や考察!

次は【僕が死ぬだけの百物語】13話の感想や考察をご紹介します。
崩壊していた「普通の家庭」
13個目の怖い話の冒頭は穏やかな普通の家庭として描かれていましたが、その「普通の家庭」は次のページで崩壊していきます。
父親の挨拶に対して緊張した妻や娘の顔は、最初はなぜなのかわかりませんでしたが、この話を読み終えた後では意味が変わってきます。
DVの経験による緊張からなのか、死んだ男性が何度も現れる恐怖や戸惑いによるものなのかです。
普通の家庭を求めていたと語る男性が本当に求めていたのは、なんだったのでしょうか。
DV家庭の地獄
この話はDV被害者の妻と娘が父の食事に毒を盛るという、非常に重いヒトコワ要素もあります。
しかしこれは復讐というより、自分たちが生きるための選択だったのかもしれません。
朝の挨拶時の娘の顔。
どこかよそよそしい妻。
男性が手を振り上げた時の娘と妻の怯え方。
そのどれもが長い間、男性に支配されていた結果だとわかり、ここだけでも十分ヒトコワな話です。
さらに普通を通り越して地獄のような家から、解放されるために食事に毒を盛ったと妻と娘。
それを後悔ではなく冷静に語る2人もすでに心が壊れているヒトコワ話だと思います。
何度も出現した男性の執着
今回の怖いポイントの1つが、男性が何度も現れたことです。
「何度も現れる」というのは、反対にずっと家にいるわけではなく、途中で消えてしまうことがわかります。
「普通の家庭」に執着していた男性は、家そのものよりも、家庭そのものに執着しているのかも知れません。
冷徹に早く消えてくれと言う妻と娘は、もう何度も男性が死んだことを伝えていた可能性もあります。
妻と娘のその後は?
この話は、普通の家庭を求めた男性が、自身のDVによって妻と娘から見放され、最後は自分がすでに死んでいることを知るという結末でした。
それでは、その後の妻と娘はどうなったのでしょうか。
普通に考えれば警察に出頭するはずですが、もしかすると男性の死を隠し続けた可能性もあります。
長年続いた支配や暴力という地獄から逃れるために、殺人という大罪を選ばなければならなかったのだとしたら、それはあまりにも悲しい話です。
父親が消えたことで自由を手に入れたとしても、2人の心に残った傷まで消えるわけではありません。
果たして妻と娘に、本当の意味で幸せになれる未来は訪れるのでしょうか。
【僕が死ぬだけの百物語】はどこで読める?
次に今回の【僕が死ぬだけの百物語】や今回のお話がどこで読めるかについてご紹介します。
【僕が死ぬだけの百物語】は各種電子書籍サービスで読むことができ、今回の13話は第2巻に掲載されています。
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この記事のまとめ

以上、【僕が死ぬだけの百物語】13話のネタバレと感想!普通の家庭に執着した男の末路とは?という記事でした。
今回の話をまとめると次のとおりです。
- 今回は家族の話
- その家庭はすでに崩壊していた
- 男性のDV被害に遭っていた妻と娘
- 妻と娘は食事に毒を盛っていた
- 男性はすでに亡くなっていた
死後もなお何度も現れる男性
13話は幽霊そのものの怖さよりも、「普通の家庭」に執着した結果、家族を壊してしまった人間の怖さが印象的なエピソードでした。
そして父親が消えた後も、妻と娘が本当に救われたのかはわかりません。
後味の悪さと考えさせられるテーマが詰まった、シリーズの中でも印象に残る怪談のひとつだと感じました。

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