『ハイこちら解奇部です』は、市役所に存在する呪い専門の部署「福祉課解奇部」が、各地で発生する怪異や呪いに対処していくホラー・ミステリー漫画です。
解奇部に所属するのは、霊感はないものの不老不死の呪いを受けている高尾と、怪異に関する豊富な知識を持つ霊能力者・ルリ。
単純に幽霊を倒したり除霊したりするのではなく、「なぜその怪異が起きたのか」を解き明かしていくのが本作の面白いところです。
今回は『ハイこちら解奇部です』のネタバレを含みながら、解奇部の仕事や高尾とルリ、実際に読んで感じた作品の魅力を紹介します。
【ハイこちら解奇部です】とはどんな漫画?

まずは『ハイこちら解奇部です』の作品情報と、物語の始まりを紹介します。
作品情報
作品名:ハイこちら解奇部です
作者:シマシンヤ
出版社:集英社
既刊:1巻(2026年9月現在)
ジャンル:ホラー・ミステリー
あらすじ
物語は、森の中で遺体が発見されたところから始まります。
現場を確認した警察官は、通常の事件ではなく「呪い」が関係していると判断。
そこで連絡を取ったのが、市役所の福祉課に存在する呪い専門の部署「解奇部」でした。
黒電話が鳴ると仕事の合図。
現場に派遣されたのは、高尾と呼ばれる長身の男性と、白髪にストリートファッションという風変わりな老婆・ルリちゃんです。
2人が名乗っている名前はどちらも偽名で、人間ではないものに本名を知られる危険を避けるため、定期的に名前を変えています。
今回2人が調査するのは、6年前にも同じような事件が起きていた禁足地。
高尾は霊感を持っていないため、ルリの術によって霊を認識しながら調査を進めます。
調べていくと、明治時代に「エン」という女性がこの土地で亡くなり、その後祟りを鎮めるために祀られていたことが判明します。
しかし、禁足地で男性ばかりが亡くなる理由を追っていくと、祟っていたのはエンではなく、彼女と無理心中した松井の霊でした。
こうして解奇部は、怪異の表面だけではなく、その土地に残された過去まで掘り起こしていくことになります。
【ハイこちら解奇部です】のネタバレ

ここからは『ハイこちら解奇部です』のネタバレを含みます。
解奇部とは?
解奇部の正式な部署名は「市役所福祉課解奇部」。
怪異や幽霊、呪いなど、通常の行政では対処できない問題を扱っています。
現在所属しているのは高尾とルリ。
2人のもとにある黒電話が鳴ると仕事の合図となり、怪異が発生している現場へ向かいます。
本作の世界では、この世とあの世の境界が曖昧になる場所が存在します。
場合によっては、現実には存在しない夢のような空間へ人間が迷い込んでしまうこともあります。
そんな場所に必要な「線」を引き、境界の綻びを繕うことも解奇部の仕事です。
高尾とルリが怪異に挑む
解奇部の大きな特徴が、高尾とルリの能力が正反対であることです。
ルリは怪異を認識でき、長年培ってきた知識や経験を使って対処できる霊能力者。
一方、高尾には霊感がありません。
しかし、高尾自身が「死ねない」という特殊な呪いを受けています。
高尾は自分にかけられた不老不死の呪いを解いて死ぬことを望んでおり、その方法を探すためにルリと行動しています。
怪異を解決する側の人間自身が強烈な呪いを抱えているのも、本作の特徴です。
登場する怪異と事件
『ハイこちら解奇部です』では、さまざまな怪異事件が登場します。
事例1では、禁足地で起きる男性の不審死と、過去にそこで無理心中した男女の霊を調査します。
その後も、相続した家で起きる心霊現象、小学校からやってきた職業体験の子どもたち、肝試し先から出られなくなった若者など、身近な場所から怪異が広がっていきます。
さらに物語が進むと、人間だったことのない存在、降霊術に紛れ込む何か、公営墓地で真っ二つに割られた墓、呪物、存在しない駅なども登場。
同じ「幽霊」や「呪い」でも原因や対処方法が異なるため、事例ごとに違った怪異を楽しめます。
怪異を「解く」ということ
本作で印象的なのが、怪異を単純に倒すことが解決ではない点です。
怪異の中には、その正体を知ることで影響力を失うものがあります。
何が起きているのか分からない恐怖や、人間から向けられた歪な視線などが膨らみ、やがて呪いとなってしまう場合もあります。
そのため解奇部は、怪異の正体だけでなく、その原因まで調べます。
一方で、すべての怪異が人間の感情から生まれたものとは限りません。
「人間だったことがないもの」のように、人智を超えた存在も登場します。
調べれば理解できる怪異と、人間には理解できない怪異の両方が存在するところも面白い部分です。
【ハイこちら解奇部です】の主な登場人物

ここからは『ハイこちら解奇部です』に登場する主な人物を紹介します。
高尾
高尾は解奇部に所属する、高身長で長髪の男性です。
自称「永遠の28歳」ですが、実際に生まれたのは大正時代。
戦時中には従軍しており、本来なら死亡していたほどの重傷を負った際、誰かから差し出された人魚の肉を食べています。
それ以降、高尾は不老不死となりました。
ルリと出会ったのは1980年。
長い年月を生きているため、周囲に合わせて話し方なども現代風に変えています。
しかし、高尾自身は不老不死を望んでいるわけではありません。
ルリと行動している目的のひとつも、自分にかけられた不老不死の呪いを解き、いつか死ぬためです。
ルリ
ルリは高尾とともに解奇部で働いている霊能力者です。
「ルリ」も本名ではなく、定期的に名前を変更しています。
1980年に高尾と出会った当時は「キョウコ」と名乗っていました。
怪異に関する豊富な知識と経験を持っており、高尾が認識できない霊を見るための術を使ったり、この世とあの世の境界に線を引いたりすることもできます。
一方で、どんな怪異でも無条件に相手にするわけではなく、危険な存在を見極めながら対処しています。
霊能力者の椿凛子とは古くからの知り合いですが、現在は喧嘩別れした状態です。
椿凛子
椿凛子はテレビにも出演している霊能力者です。
ルリとは古くからの知り合いで、霊能力者としては天才と呼ばれるほどの人物。
ただしルリとの関係は良好とはいえず、過去に喧嘩別れしています。
イヲリ
イヲリは椿凛子の助手を務めている人物です。
椿凛子とともに怪異に関わっており、解奇部とは別の立場から物語に登場します。
【ハイこちら解奇部です】を読んだ感想

ここからは実際に『ハイこちら解奇部です』を読んで感じたことを紹介します。
怪異そのものより「なぜ起きたのか」が面白い
『ハイこちら解奇部です』を読んでいて面白かったのが、怪異の正体そのものよりも「なぜこの怪異が発生したのか」を調べていく部分です。
怪異の中には、正体が分からないことへの恐怖や、人間から向けられた歪な視線が膨らんだ結果、呪いとして影響力を持つようになったものも存在します。
つまり幽霊を見つけて終わりではなく、その土地や人物の過去まで調べなければ、本当の意味では解決できません。
一方、人間だったことがない存在など、原因を調べればすべて理解できるわけではないのも面白いところ。
「調べれば分かる怪異」と「そもそも人間の理解の外にいる怪異」が混在しているので、次に何が出てくるのか分からない怖さがあります。
高尾とルリのコンビが魅力
不老不死なのに霊感がない高尾と、霊能力を持ち怪異について豊富な知識を持つルリ。
正反対の2人のやり取りも本作の魅力です。
怪異に巻き込まれても、長年コンビを組んできた2人はかなり慣れた様子。
特に高尾は死ねないため、普通なら大事件になりそうな状況でも多少痛そうな反応をする程度で、本人もルリも必要以上に動揺しません。
扱っているものは呪いや死といった重い題材ですが、2人のやり取りにはコミカルな部分もあります。
ホラー一辺倒にならないバランスが読みやすさにつながっていると感じました。
ホラー・怪異漫画が好きなら楽しめそう
『ハイこちら解奇部です』は、怪異の正体や背景を調べていくタイプのホラーが好きな人なら楽しみやすい作品だと思います。
怪異をファンタジー的な力だけで解決するのではなく、なぜ呪いが発生したのか、そこにどんな過去があったのかまで掘り下げられます。
市役所の中に本当に「解奇部」という部署が存在していたら、こんな仕事をしているのかもしれないと思わせる設定も面白いところです。
似た作品として『百鬼調書 怪異調査はこちらまで』があります。
こちらも市役所が怪異に関する問題を調査する作品なので、『ハイこちら解奇部です』が気になった人はこちらも読んでみてください。
【ハイこちら解奇部です】はどこで読める?

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【ハイこちら解奇部です】まとめ

今回は『ハイこちら解奇部です』のネタバレや登場人物、実際に読んだ感想を紹介しました。
今回の記事をまとめると以下の通りです。
- 解奇部は市役所福祉課に存在する呪い専門の部署
- 高尾は不老不死の呪いを受けており、ルリは怪異に詳しい霊能力者
- 怪異を倒すだけでなく、発生した原因や過去まで調べて解決する
- 人間由来の怪異だけでなく、人智を超えた存在も登場する
- ホラーとミステリーに、高尾とルリのコミカルな掛け合いが組み合わされた作品
まだ明らかになっていない高尾やルリの過去も多く、今後どのような怪異と遭遇するのかも気になる作品です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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