今回は【村祀り】という作品のネタバレや考察をご紹介します。
この記事では10巻前後までの情報をまとめ、村や祀り、専門用語など、作品をより深く楽しむための情報などをご紹介しています。
それでは【村祀り】ネタバレと考察、より深く楽しむための情報まとめをぜひご覧ください。
【村祀り】とは?

村祀りは作者による作品で、すでに完結しています。
書籍情報は次のとおりです。
タイトル:村祀り
作者:山口譲司 木口銀
既刊:20巻(完結済み)
ジャンル:ドラマ
村祀りは村々に漢方を売り歩いている三神荒(みかみこう)の、村社会の闇、植物、歴史、信仰などを題材にしたドラマ系漫画作品です。
三神自身は本草学という学問を収めていて、研究のためにフィールドワークのかたわらで、自分自身の目的のために日々東奔西走しています。
三神自身の目的は霊酒のようですが、その先にあるものはなんなのかは、10巻前後では明かされていません。
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【村祀り】のネタバレと楽しむための情報まとめ

次は作中で登場する言葉やその解釈などをまとめていきます。
大体10巻前後の内容のため、ご承知おきください。
本草学(ほんそうがく)
三神荒が研究している学問。
薬用の植物や動物、鉱物の形態や効能などを研究する学問。
中国由来の学問のため、Mr.蓬莱と中がいいことも頷け、国内外の歴史等にも精通していることがよくわかります。
霊酒(ソーマ)
伝説の酒で、不老不死や万能薬のような意味合いで伝わっているようです。
三神が求めているもので10巻まででは、まだ詳細は明かされていません。
霊薬(アムリタ)
こちらも霊酒と同様に不老不死や万能薬のような意味合いで伝わっているようでした。
第1章 スイカズラの村 蛇神信仰
忍冬(スイカズラ)は蛇憑きの異名と言われています。
作中では違法植物を栽培し、服用することで巫女(シャーマン)が神事を取り行っていたようです。
また村の中での婚姻は血が濃くなることから、外部から来た人をもてなした過去などもありました。
当時の村社会でできた子供は、村全体で育てていたからこそできたことかもしれません。
三種の神器
作中では剣が出てきますが、その剣は天叢雲剣、別名で草薙剣と呼ばれる剣でした。
剣の蛇行剣で、八岐大蛇伝説は実は、製鉄技術を持つ集団を制圧した逸話を語ったものだと言われています。
三種の神器には剣のほかに八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)や八咫鏡(やたのかがみ)があります。
第2章 冥洞の村 山神信仰
過去に大陸から来た人が現地でなくなり、墳墓を作ったりしたお話でした。
中国人=仙人などの話に伝わるようになったようです。
作中に登場する、隻眼で片足の人物は山の神の化身として、生まれたのかもしれないと言われています。
ちなみに田んぼなどで見るカカシはこの山の神が田の神になった姿だと言われているという話もありました。
作中で出てくる含蝉(がんせん)というものは、古代中国で死者の口に含ませる蝉の形をした玉器(ぎょっき)というもので、蝉は土の中から羽化して生まれ変わる姿になぞらえているようです。
茶々丸虚構推理も主人公が片足で隻眼で、妖怪の神として崇められていますね。
第3章 呪物の村 黒仏(10巻まではまだ完全には明かされていない)
過去にどんな凄惨な過去があったとしても、人が住めなくなった村は廃村になってしまいます。
三神荒が過去に恋人と訪れた地に因縁のあるお話でしたが、そこはすでにダムの底になってしまいました。
第4章 海蜘蛛の村
鬼のツノのように見える島が登場し、また別の島では男子禁制の祀りが行なわれていました。
その村では昔、流刑地であったり隠れ遊郭としての側面がありました。
それは日本だけではなく、中国の海賊たちも根城にしていたほどのようです。
また作中では異様に手足の長い影が登場しますが、これは中国の「山海経」に登場する手長人、足長人が合体したような姿で、描かれています。
種明かしをすればスティルと呼ばれる、手足を伸ばす竹馬のようなものでした。
第5章
黒仏(くろほとけ)を密かに追っていた三神は、黒仏を回収した車を追って山奥に辿り着き、そこでは神農祭と書いた提灯と、薬物によって男女が乱れる祀りが繰り広げられていました。
神農自体は中国神話の三皇の一人で農耕・医薬・交易の神として祀られています。
その村では呼び寄せた人間で薬物実験を行なっていて、村の建物では麻薬植物と毒草のハーブ園が作られていました。
登場した植物は次のとおりです。
作中で登場する用語
大麻草:いわゆるガンジャと呼ばれる麻薬植物です。
アツミゲシ:ケシの一種でアヘンの原料です。
トリカブト(鳥兜):日本三大有毒植物の1つです。
ドクニンジン:有毒植物で海外由来のもののようです。
トウゴマ:種が有毒で解毒剤は存在しません。
ベラドンナ:日本には存在していない幻覚作用や意識障害を引き起こす毒草です。
いこれらの薬を使い、黒仏を祀る人たちは何かを成そうとしているのかもしれません。
第6章
目的のために今日も森を歩いている三神には、押しかけ助手として5章で救った園山花梨とともに、野宿を回避するために牛首村(うしこうべむら)に訪れました。
ここは園山花梨の暮らした村のようで、三神は殺人事件の嫌疑をかけられ無実を証明するために、火焔明王に裁かれるようになります。
具体的には神判という形で、神に罪の有無を問う呪術的裁判のようです。
作中では2つが紹介されています。
作中で登場する用語
盟神探湯(くかたち):煮えた湯に手を入れて火傷を負わなければ無罪
火起請(ひぎしょう):熱した鉄板や石を素手で持って火傷の程度で有罪無罪を判断する
第7章
八百比丘尼伝説(やおびくにでんせつ)がある四万奇(しまくし)村には、千年生きた尼僧が霊薬で生計を立てていたようです。
その実情は似た子供を近親交配で作りだし、尼層と同じくらいの年齢になると入れ替わるという仕組みだったとわかりました。
ここにも三神が求めるものは見つからなかったようです。
第8章-第9章
平将門の首に関する話がある村に訪れた三神は、村にあるサナトリウムに潜入します。
このお話では妙見信仰(みょうけんしんこう)について触れられていて、北極星や北斗七星を神格化した信仰のようです。
神格化した菩薩は妙見菩薩や尊星王(そんしょうおう)、妙見尊星王などと呼ばれています。
平将門も妙見信仰だったようで、北斗七星の形に逸話があり、今回訪れた天海村は北斗七星を柄杓に例えたときに、首にあたる場所のようです。
平将門の痕跡を追っていた三神は、薬物により記憶が混沌としているところを園山花梨に救われました。
作中に登場する植物
治葛(やかつ)ゲルセミウム・エレガンス
根と蜜に猛毒性を持つ植物で、古くから中国で毒殺などに使用された植物です。
ごく少量の致死量で、漢方としての利用をされた歴史もあります。
黒仏の一団はこれを死の力として黒仏の中に隠していたようです。
第10章 夜啼鳥の村
今回のお話は天狗村の伝説のお話です。
国内外、古今東西で人の失踪というのは合ったようです。
そして情報のやり取りが盛んでなかった昔は、若い男女が駆け落ちしたり口減しの目的で、神隠しなどという言葉を使っていたようです。
山深い村のような場所…隔離社会が生み出したブラックボックスだと三神は語ります。
訪れた村には天狗の伝説があったり、鵺の話が伝わっていたりしました。
しかし鵺に関してはトラツグミの「鵺鳴き」と呼ばれる現象だったようです。
村の神社は髪引神社と言い、櫛杉という3本の御神木があったようですが、長い年月ですでに日本が失われています。
3本の理由は簪(かんざし)と笄(こうがい)を合わせて、日本髪の飾り3点セットになぞらえたもののようです。
村にはトラック運転手の父と娘がまよいこおんでいて、父の暴挙によって、娘の小夜に毒植物を盛られ、外法裁きによってなくなりました。
作中に登場した植物
馬酔木(アセビ):ツツジ科の常緑低木で、馬が酔う木という名前の通り、有毒成分を馬が食べ、酔ったように見えることからついた名前のようです。
【村祀り】を読んだ感想


次は【村祀り】を読んだ感想を書いていきます。
非常に興味深い作品というのが最初の感想です。
古き良き日本という言葉がありますが、この作品は村や宗教、信仰の闇、普段なら目にしないような有毒植物を取り扱った作品です。
村というのは一つの社会、一つの世界として描かれていて、峠の向こうは別世界というように、章が変わるごとにいろんな世界を見せてくれました。
私も土着信仰や神社など調べたり実際に行くこともありますが、村祀りはどこか不穏な世界に足を踏み込んだような気になります。
私が無学なだけかもしれませんが、本草学というのも非常に興味深く、熊の影響がなければ実際に山に行って見たいと思いました。
この記事のまとめ


以上、【村祀り】ネタバレと考察!より深く楽しむための情報まとめという記事でした。
この記事をまとめると以下になります。
- 村祀りは重めの作品
- 日本の記されなかった過去がわかる
- 神様や儀式に詳しくなれる
- 植物について詳しくなれる
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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