【罪と罰のスピカ】タクシー回のネタバレ感想!名も無き殺意とは?

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今回は【罪と罰のスピカ】タクシーの話のネタバレ紹介と感想をご紹介します。

これは本当になかった事件なのか?なぜ犯人は凶行をおこなったのかなど、気になる点もまとめました。

それでは【罪と罰のスピカ】タクシーの話のネタバレと感想!名も無き殺意の正体をご覧ください。

目次

タクシー回のネタバレ

作品のネタバレ画像

まずはタクシーの話のネタバレをご紹介します。

タクシーの話は12話から20話までとなっています。

誰かの幼少期の話

作中冒頭での時はおそらく昭和頃でしょうか。

まだ着物と洋服のどちらも着られていた頃のようで、スーツを着た男性は息子である少年と共に車で出かけていきます。

少年の母と、若い男性はその様子を仲睦まじいと話し、笑っていますが実際には違いました。

父親の運転は荒く、暴言を吐きながらハンドルを叩き、荒々しい運転を繰り返していたようです。

そして吸っていたタバコの火を、少年の手のひらに押し付け、父親は少年へ下手なドライバーを恨めと言い、叫び声と共に暗転していきます。

時はバブル期へ進む

時は進み、繁華街で青年がタクシーを呼び止めました。

行き先は新宿。タクシー運転手は軽快な話でコミュニケーションを図りますが、青年は返事もせず押し黙ったままです。

しばらくすると新宿に到着しますが、青年は気が変わったと言い、次は高田馬場へ向かうように言いました。

タクシー運転手は引き返すことになると言いかけますが、青年はかまうことなくいくように指示します。

次々に行き先を変える青年に対して、タクシー運転手は思うところがあったようですが、そのまま行き先に向かい続けます。

そして何度目かの行き先変更の後、タクシー運転手は青年へ冷やかしなら他を当たってくれと言いますが、青年は今から街に出て人を殺そうと思っていることや、ターゲットはタクシー運転手でも構わないと言い、目的地へ進むように伝えました。

青年の動機

タクシー運転手はなぜ人を殺そうと考えているのか問うと、青年は大学受験に失敗し、恋人にも振られてしまったようで、タクシー運転手はそれだけのことでと言いかけますが、青年はそれを遮り父親に虐待されていたとも明かしました。

父の虐待は青年の心に深い影を落としたようで、彼の精神は限界を迎え、人を殺すという結論に至ったようです。

たくさんの人を犠牲にして、その後自分も死ぬことを望んでいるようで、自身の考えが間違っていることや、どうしようもない葛藤の中にあることがわかりました。

タクシー運転手の過去

タクシー運転手はそこまで話を聞き、自分自身は若い頃に博打に目がなくて、その日の食事もままならない状態なのに、すべて博打に注ぎ込む日々を送っていたようです。

それでも好きになってくれる人ができ、苦労をかけましたが博打をやめて、タクシードライバーになったと語り、婚約指輪を七夜に売ってしまった時などピンチもあったようですが、なんとか現在に至るようです。

そしてタクシー運転手は、自分のような人間でもなんとかやってこれたから、人生は捨てたもんじゃないと諭します。

青年はそこまで話を聞き、興醒めてしまったようで、千葉の自宅まで送ってもらうことにしました。

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目覚めた先で…

タクシー運転手はサービスだと飲み物を渡し、それを飲んだ青年は眠ってしまい、起きたところは家ではないどこかでした。

さらに服は脱がされ、両手両足は拘束され口は塞がれて、声を出すことも身動きを取ることもできません。

そこへ先ほどのタクシー運転手 矢崎吾郎が声をかけます。

彼はお互いひどい父親を持つと苦労すると青年へ共感を示すと、火傷後が残る手のひらを見つつ、青年へ視線を戻しました。

矢崎の凶行

矢崎は青年にここはどこかということを話し始め、ここは石切場跡地で今では廃工場があるだけだと話つつ、タクシーに牽引ロープを繋ぎます。

その一方を持ち青年に近づき、牽引ロープを青年の首へ巻き付け、矢崎は自分の自己紹介として、「ハンドルを持つと性格が豹変する人」のひどいパターンだと笑顔で言いました。

自分の父親も同じ性質だったと言い、因果なことにタクシー運転手になってしまった矢崎は、仕事中でも殺人衝動が湧いてしまうと語り続けます。

そして青年のような、後腐れのない人を見つけては、気晴らしとしてタクシーで引き摺り回し殺しているようです。

殺害後の矢崎は?

青年を思う存分痛めつけて殺した後、矢崎は穴を掘り、死体を入れ、埋めた後に石を積み、南無阿弥陀と軽くいうと帰路につきます。

自宅には何食わぬ顔をして帰り、愛する妻と小さな子供達に囲まれ、平和な家庭生活を過ごしているように見えます。

家族が寝静まったあとは晩酌をしつつ、過去に殺した人間の写真を眺め、不意に起きてきた子供のために夜食を作るなど、実に「良い父親」として振る舞っていました。

殺人を続けても…

時は進み子供たちは大きくなり、矢崎自身は頭頂部が薄くなっていました。

新聞を眺めては大きな事件に悲しみを感じても、殺意は冷めておらず、未だに殺人を繰り返していたようです。

しかし人を殺しても満足感が薄くなったようで、そのことを体調の不良なのかもしれないと感じています。

後日、同僚のタクシー運転手仲間と世間話に興じつつ、殺人は続けている二面性を持ち合わせていました。

しかし今までのように満足感や高揚感を感じにくくなってきていて、これは加齢と共に減退してしまったのかと結論づけます。

見つかってしまった死体

ある日のニュースでは某県某所にある廃工場から、身元不明の遺体が複数発見されます。

静かにショックを受ける矢崎ですが、一方で同じニュースを見ていた息子は、その内容に引いてしまっていました。

さらに時は進み矢崎が65歳の定年を迎え、孫までいる円満な誕生日をお祝いしているシーンに移ります。

タクシー運転手をやめると同時に免許も返納していたことが夫婦の会話からわかりました。

逃げ切ってしまった矢崎

矢崎は息子が何を見ているのか気になり声をかけると、10年ほど前の複数の遺体が廃工場から見つかった事件について語り、犯人が見つかっていないことを話し出します。

矢崎自身も今まで自分が捕まっていないことにではなく、殺人をやめたことに驚いているようです。

娘の結婚式では娘の晴れ姿に涙し、その内心では殺人から逃げ切ったことを考えていて、もう捕まることはないと考えていました。

孫とも一緒に遊ぶ好々爺の側面も見せ、過去の殺人コレクションの写真を燃やす頃には未練も何も残っておらず、自分自身をまともな人間になれたのかという感想も持ち始めます。

そして妻の香里奈にも今までの感謝を述べ、香里奈がゆっくり振り返ります。

スピカとの出会い

振り返ったのは見知らぬ女性で、矢崎はここがどこか自分が何をやっていたのかわかりません。

漠然と家に帰らないとと考え、歩み出そうとしたところ、走っていたトラックに気づかずに轢かれそうになります。

そこをスピカが間一髪で救い、矢崎の様子から認知症かもしれないと、心をのぞき住所を割り出そうとしました。

そこへ息子の登が現れてことなきを得ましたが、矢崎は内心で過去を懐かしみ、人をたくさん殺せたことを思い出したところで、スピカに心の声を拾われます。

集めるのは心の証言

スピカは介護ボランティアとして、矢崎が静養している施設に潜入しました。

心の声から矢崎の過去を伝え、殺人を犯したことを思い出させようとしますが、うまくいかないようです。

スピカは殺人犯を捕まえて罰を与えるルールを設けていて、殺人を犯した過去を矢崎が忘れているなら、かけ違えたボタンを直したことにならないと悩んでいました。

それでもいかず、矢崎の心の証言集めは難航を極めます。

殺人の署名

スピカは学校で、十秤(とはかり)になぜ連続殺人鬼(シリアルキラー)は人を殺すのかと問いかけます。

十秤は一般的な回答として幼少期の虐待体験や脳の機能障害などを一例に挙げますが、それがすべてではないとも付け加えました。

スピカは十秤へ自分が探偵だった場合には、どうやって突き止めるか続けて問いました。

十秤は最初は殺人の署名を探すと言い、犯行のパターンや傾向を探すことで、犯人の心の内側の欲求がわかるのではないかと言います。

最後にスピカはシリアルキラーは殺人を止めることができるか聞くと、十秤は無理だと言い、条件がそろえばまた殺人を繰り返すと締めました。

矢崎の最期

矢崎はすでに自身の頭が曖昧になってしまい、起きた時には病院にいました。

もう自分の先が長くないと考え、いつかは自分も死ぬし、結婚も子供も孫もいて、たくさんの人を殺せたと満足そうにしています。

殺人衝動がなくなったことは疑問が残りますが、自分は勝ち逃げしたと穏やかな眠りにつこうとしているところで、スピカが現れました。

天使の格好をしたスピカを、天からのお迎えだと矢崎は考えますが、スピカは矢崎に黒電話を持ち出し、矢崎宛の電話だと言いました。

黒電話の黒い電話のコードを見た瞬間、矢崎の脳裏には幼少期の思い出が蘇ります。

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矢崎のトラウマ

矢崎の母は近くの学生と不倫していて、性行為中に首を絞めてもらうことに興奮する性質がありました。

その日は黒電話のコードで首を絞めすぎた結果、母は亡くなってしまい、父親からの虐待に耐えてきた矢崎の心はバランスを保てなくなります。

矢崎の被害者は30歳前後の女性と20歳前後の男性で、首に縄をかけて引き摺り回して殺したのは、運転ではなくて首を絞める方だったことが発覚しました。

そしてとあるタクシーの乗客が母と同じ性質で、殺人衝動に目覚めた矢崎は凶行を繰り返したことが明らかになります。

殺人を自覚した矢崎はスピカも殺そうとしますが、スピカはやっとピースが揃ったと、矢崎の顔を枕で押さえ窒息させて殺しました。

矢崎の残した痕跡

スピカは矢崎の自宅の庭に夜中忍び込み、家の庭からあるものを掘り出します。

それは矢崎の過去の写真コレクションで、妻の香里奈が忍び寄り、スピカの腕を掴みました。

スピカは触れられたことで、香里奈の心の声が聞こえ、自分は矢崎の介護ボランティアだと自己紹介をします。

香里奈は一旦手を離し、この写真をどうするのかスピカに問いただすと、スピカは当たり前のように世間に公表しようと考えていることを明かしました。

スピカは写真の公開は故人の意思だと嘯き、矢崎の行ないを知っていたのに黙っていたのかと質問します。

香里奈の想い

香里奈は家族がいたから、写真を見つけて自分の夫が化け物だとわかっても、黙っていたことがわかります。

それは家族の前では凶暴でなかったことや、すでに事件は過去のものだったからと、自分たちの家族の行末を案じてのことでした。

スピカは納得はできる答えだったようですが、矢崎に殺された人に罪はないことを突きつけます。

香里奈は生きている家族の方が、殺された人より大切だと言いますが、スピカは殺された人にも家族はいると返しました。

香里奈はスピカを殺そうとしますが、その手は止まってしまい膝を折り、その目には涙が流れています。

名も無き殺人鬼

数日後、十秤はスマホを見ながら嬉しそうにしていて、そこへスピカが声をかけます。

そこには30年以上謎だった「名も無き殺人鬼」の正体が明かされていて、矢崎のことが明るみになったことがわかりました。

スピカは十秤に、矢崎の記憶を呼び覚ますヒントをくれたお礼にと、矢崎の地元のマスコットキャラクターのキーホルダーをプレゼントし、名も無き殺意のお話は幕を閉じます。

タクシー回を読んだ感想

作品を読んだ感想の画像

次はタクシーの話を読んだ感想についてご紹介します。

人は見かけによらない

今回の犯人 矢崎の連続殺人についてまず思ったのが、人は見かけによらないということですね。

これは漫画作品でフィクションなので、こんなことが絶対にあってはいけません。

しかしいかにも怖そうな人や危なそうな人よりも、矢崎のような人の良さそうな人の方が、警戒心も生まれにくく、凶悪な犯罪をおこなっているというようなお話でした。

さらに過去の経験で、本人も知らないところがトリガーになっているという意外性もあり、人には本人も知らない衝動やトラウマがあるとわかります。

この話を読んだ後で、矢崎に似たタクシー運転手がいたら、私はちょっと身構えてしまいますね(笑)

なんでバレなかったのか?

次に気になったのはなぜ矢崎の凶行は見つからなかったのかというところです。

実際問題、今のような監視社会じゃない昔の話ですが、実際に可能性としてはあったそうです。

捜査技術の限界もあり、1990年より前はDNA鑑定もなく、防犯カメラや位置情報サービスなんてものもありません。

それに当時の社会は夜逃げや失踪が起きやすい背景として、出稼ぎ労働者や住民票を移さない人も多くいたようです。

さらには都道府県を跨いだ事件は、警察の情報共有が弱く、同一事件や同一犯だと関連付けされにくいということでした。

天才的な殺人鬼ではない

作中でも語られていますが、シリアルキラーというのは稀にネットなどで紹介されていますが、紹介されるどれもがカリスマ性や目に見える異常性を持っています。

しかし矢崎に関しては一見普通の家庭で育ち、自身も平凡な家庭を築き、老年まで平和に暮らしています。

これはフィクション作品ですが、もしかしたら本当に無かったことにされた殺人事件もあるのかもしれません。

ちなみに今回色々と調べてみましたが、元ネタになるようなお話は見当たりませんでした。

この記事のまとめ

この記事のまとめの画像

以上、【罪と罰のスピカ】タクシーの話をネタバレと感想!名も無き殺意の正体とは?という記事でした。

今回のお話をまとめると以下になります。

  • 普通の人が持った殺人衝動の話
  • 過去に起因する連続殺人
  • 天才的ではない殺人鬼
  • 本人の知らないところに現れる殺人の署名

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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